… D i a r y …





ほしみっつかけるはち     2/26

「・・・好きだから、じゃない?」

夏目の出番が今週はなかったですよ。
・・・先週もなかったですし。むー。



ひだまりスケッチ×☆☆☆第8回、
「5月13〜14日 ゆのクラブ」「9月26日〜27日 やっぱりナスが好き」です。

***

お昼休みの食堂。
そこには、友達と一緒に同じテーブルについて、お昼ご飯を食べている乃莉ちゃんの姿がありました。
そして、乃莉ちゃんの前にあるのはお皿に盛られたカニチャーハン。
・・・いつもは見ないメニューなのですよ?

そして、食堂に様子を見に来つつお昼を食べに来た校長先生を寂しんぼ扱いする吉野屋先生の姿も。
・・・や、校長先生はそんなことは思っていないと思いますよ?

***

お日さまの光が暖かい、朝の時間。
ひだまり荘の庭では、きょうもラジオ体操が行われていました。

ゆの、宮ちゃん、乃莉ちゃん、なずな殿。
そして、沙英さん。
きょうは、徹夜明けだという沙英さんもラジオ体操に参加しています。

・・・もそもそと様子を見に来たヒロさんはまだ眠いようなのです。
朝、弱いですからねえ・・・。

***

そして、その日の夜、101号室。
乃莉ちゃんが素っ頓狂な声を上げていました。
その理由は、ゆのと宮ちゃんがまだ食堂のカニチャーハンを食べていなかったからなのです。

(食堂の中華フェアについて1分半ほど熱く語る乃莉ちゃん)
(つい熱くなってテーブルをばんばん叩く乃莉ちゃん)
(中華フェアの対象全部を食べる事を目指した乃莉ちゃん)
落ち着いて!落ち着いて乃莉ちゃん!


さて、そんな中華フェア。
ヒロさんと沙英さんは既に行っていたようで、そうなるとゆのと宮ちゃんも何だか食べたくなってしまうもの。
しかし数日前から行われていた中華フェアは、もう明日には終わってしまう、という事らしくて。
そう聞かされるとより一層食べたくなってしまって、つい宮ちゃんの両手がカニの形に。
カニカニ。

***

カニチャーハンの事を聞かされて、悶々とした夜を過ごして。
陽が昇り、時間は翌日の朝。
さあ、いざ行かん学食へ!カニチャーハンが待ってます!

・・・や、朝ですよ?普通に授業のある日ですよ宮ちゃん?


ひだまり荘を出て、教室に付くまでの短い時間。
ゆのと宮ちゃんは、そのカニチャーハンには行っているであろうカニは、
どんな種類のカニなのかということを考えていました。
おいしいカニチャーハンが中華フェアの目玉とは聞いたけど、何ガニなんだろう?と。

タラバガニ、ズワイガニ、花咲ガニ、毛ガニ、高足ガニ。
平家ガニ、沢ガニ・・・はないよね?

そして、宮ちゃんは何となくスベスベマンジュウガニの名前を挙げました。


*スベスベマンジュウガニ*
毒ガニ。たべられません。

・・・宮ちゃん、何故そんなカニの名を・・・?


そうして、教室に着いて。
なにやら吉野屋先生が見慣れない姿をして教室に立っていました。
その姿は、しっかりとスリットの入ったミニのチャイナドレス。
どうやら、昨日に食べたカニチャーハンに感激してしまい、中華な気分になってしまったみたいです。
・・・・・・・・・いいのでしょうか、教育の場でチャイナミニとか。吉野屋先生ですけれども。

そんな中華で海産物な気分の吉野屋屋先生の気まぐれで、
きょうの授業では海の生物の平面構成をすることになりました。

平面構成をしている途中で、ふと宮ちゃんがカニチャーハンについていろいろ考え始めて。

チャーハンの部分のお米は、お百姓さんが長い時間をかけて作ったお米で。
チャーハンの卵は、ヒヨコから成長した鶏が産んだ、時間の掛かったもので。
サラダ油も、この形になるまでにいろいろ経過があって。
みんな、時間と手間をかけて作られていて、チャーハンはその組み合わせで出来ていて。

そこに海から適当に捕まえてきたカニを適当に乗っけて。
陸上で手間をかけて作られたものに適当に乗っけて。
あんな・・・あんなカニカニしたものを!


・・・熱弁が過ぎてしまったのか、授業中なので吉野屋先生に注意されてしまいました。

***

授業時間中に課題を完成させる事が出来なくて。
昼休みを使って課題の製作を続けることになってしまったゆの。

本当は、お昼に宮ちゃんと学食に行くつもりで。
そこで、今まで食べていなかったカニチャーハンを食べるつもりで。
・・・けれど、課題は終わらなくて。

そんなどうしようもない状態であることに不甲斐なさを感じて。
けれどそんなゆのに、宮ちゃんは放課後に行けばいい、と言ってくれました。
製作と片付けに時間をとってしまったゆのに、お昼のパンを手渡してくれて。

宮ちゃんは、自分を助けてくれて。
2人でカニチャーハンを食べるために、待ってくれていて。

だから、そんな宮ちゃんの思いに応えたいと。

きょう最後の授業が終わってすぐ、ゆのは宮ちゃんとともに食堂への道を駆けるのです。
目指すは食堂、目指すはカニチャーハン。
2人でカニチャーハンを食べるために。



・・・しかし、時既に遅く。
カニチャーハンは品切れとなっていました。

***

自分が、早く課題を完成させられなかったから。
自分が、動く事が出来なかったから。
だから宮ちゃんを待たせてしまった。
2人で一緒に行こうといってくれた宮ちゃんに、応える事が出来なかった。

食べられなかった事を残念に思う宮ちゃんと、自分のせいでそうなってしまったと思うゆの。
2人はとぼとぼとひだまり荘への道を歩いていました。

でも、ひだまり荘へと帰る途中で、同じく帰る途中の沙英さんとヒロさんに出会って。
落ち込んでいるゆの達を見て、ヒロさんはヤケ食いを提案してきました。

***

101号室には、昨日と同じ6人の姿。
テーブルの上には、ヒロさんお手製の「カニかま」チャーハンがずらり。
・・・そう、ヒロさんの言う「ヤケ食い」とは、「カニチャーハン」を食べられなかったゆの達への、
「カニかまチャーハン」のヤケ食いだったのです。

・・・量的にはヤケ食い、という量でもなさそうなのですけれども。むー。


ヒロさんのチャーハンに舌鼓を打つ皆。
ところで、実はなずな殿もゆのと宮ちゃんと同じく、昨日まで中華フェアを見ていなかったのですけれども。
なずな殿はきょうのお昼、まだカニチャーハンがあった頃に食べていたのです。


なずな殿の手には、カニかまチャーハン。
なずな殿のお昼は、カニチャーハン。

その事を知ったヒロさんは、なんだか被ってしまったことを申し訳なく思ったりもしましたけれども、
なずな殿はヒロさんのご飯も食べたかったから、と言って、微笑んでいました。

***

皆でのヤケ食い、もといご飯を終えて。
明日の準備をするために鞄の中身を入れ替えていたゆのは、鞄の中からパンの包みを見つけます。
それは、お昼休み、課題の製作で動けないゆのに宮ちゃんが渡してくれたお昼のパンのもので。


お昼休みは、ゆののために宮ちゃんがパンを買ってきてくれて。
それが、嬉しくて。


夕ご飯は、ヒロさんがカニかまチャーハンを作ってくれて。
みんなで食べるご飯はおいしくて、にぎやかで。そして、嬉しくて。


きょうは、
ご飯が幸せな、一日でした。

***

そんな一日でしたけれども。
でも、ゆのにはちょっとだけ気になることがあって。

それは、提出した授業課題の評価のこと。
ずっと前にも、授業課題の評価で悩んでいたことがあったから、少し気になってしまっていて。

そんな、ずっと前のこと。

***

それは1年生の時の、秋の学内コンクールの日のこと。

ビン、缶、ナス、糸、帽子(ハット)。
様々なものを題材にした静物画を課題として出されたゆの達は、
自分にできる限りのことをして、上手く絵を描こうとして。


本来は、芸術は技術だけで見るものではなくて。
生徒の描いたそれぞれの作品に優劣をつけるようなものではなくて。

けれども、「何か」の見方を基準として設けることで
その人にはない「何か」に気付けるかもしれない。

生徒が何かを描こうとして、実際に描いて、それでも表現し切れていない「何か」を
描けるようになるためのきっかけになるかもしれない。


そんな、教師としての悩ましい考えもあったりはするのですけれども。
生徒達がまず見るのは自分の上手下手の「順位」な訳で。

・・・ゆのは、自分の描いた絵の順位が下の方であったことに、ショックを受けます。

***

・・・とぼとぼと、肩を落として学校を出て、ひだまり荘への道を歩いて。
隣には宮ちゃんがいましたけれども、それでも気分は寂しくて、どうしようもなくて、やるせない気持ちで一杯で。

ひだまり荘の2階へと上がる階段を昇ったところで、ふと沙英さんの声が耳に入ってきました。
それは、小説のことについて編集さんと言い争っているような感じで。

争う声を耳にしながら、ときどき飛んでくる言葉にダメージを受けたりしながら、ゆのは部屋に着いて。

きょうの学内コンクールの事が辛くて。こんな結果になった事が辛くて。
どうして絵を描いてこんな気持ちになるんだろう。自分が好きなことをしているはずなのに。
誰かに見せるための絵ではなくて、描きたいように描いている絵で。
でも、学内コンクールという「誰かに見せるための絵」を意識して描いたことも事実で。

ただ、悶々と。
やるせない気持ちも、どうしようもないと思う気持ちも、考え続けてずっとループして。

・・・ゆのは、ヒロさんにこの事について相談をしに行くことにしました。
同じ美術科で、1年先輩で、だったらこの悩みにもしかしたら答えをくれるんじゃないかと、そう思って。

***

ヒロさんの部屋にお邪魔して、話を聞いてもらって。
技術は後でなんとかできるものだから気にしないでいいと、そう言ってもらいはしましたけども。
それでも、やっぱり気になる部分で。

そうして話をしている途中に、隣の部屋から沙英さんの叫び声が聞こえてきて驚くゆの。
でも、ヒロさんにとってはいつものことのようで、平然としていて。


沙英さんの小説も、誰かが見るもので。
きょうのゆのの絵と同じ、いえそれ以上に多くのひとから見られるもので。
だからこそ、編集さんにもダメだしをされる訳で。
好きなことを仕事にしてやっているのに、ダメだしが多くてどうにもならなくて。


けれども。
それでも、何を言われたとしても、続けていられるのは、どうして?
ダメだしをされ続けても、本当に嫌になって止めたりせずに小説を書き続けるのは、どうして?


そんなゆのの疑問に、ヒロさんは優しく答えてくれました。

好きだから。

小説を書く事が好きだから、と。

***

どうして絵を描いているのか。
どうして絵を描きたいと思ったのか。
どうして、美術科に入ったのか。

その始まりは、とても単純な事で。
絵を描く事が、好きだから。だから、絵を描いていて、美術科に入って。


その大切な思いを見失っていて、ただ鬱々として。
絵を描く事が好きだから絵を描いて、だから今ここにいるのに。


思いだけで、自分のしたい事が形にできるわけではない。
だったら、そうできるように練習すればいい。
大切なのは、技術ではなくて想いだと気付いたから。

だから、思いを表現できるように。


その思いが、一番大事だから。






次回、「11月21日 三年生と一年生」「5月21日 泣く女」です。
・・・ゆのっちの辛い話2連続?

***

今回の提供絵は、まんがタイムきららで「ゆゆ式」を連載しておられる三上小又様でした。
吉野屋先生大フィーバー?

***

校長先生は寂しんぼじゃないやい、なアバン。
・・・あれ?ここで乃莉ちゃんがこれを食べているという事は、このアバンはラジオ体操の後・・・?

AパートとBパートの繋ぎ方がちょっと気になりましたですよ。
授業課題と学内コンクール、という絡め方に関しては、話の題材としてはいいような貴もするのですけれども
でもそこに思いや感情を加えると、どうにも馴染まなくなってしまうのですよねえ・・・。

美術や芸術での評価は、あくまで個々の人の主観によるもので。
・・・でも、それでも結構痛いのですよね。それが事実であることも否定できないので。


次回もゆのっちに痛い時間なのでしょうか・・・?





りりかるなのはげきじょうばん     2/23

「ヤマネコ生まれの使い魔にだって、分かる事くらいあります!」

公開からだいぶ時間が経ってしまいましたけれども、
魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1stを見てきましたですよ!

ごめんなさいDon't be longの流れで涙が。

今回の劇場版は、なのはさんではなくてフェイトちゃんをメインにした再構成だったと思うのです。
第1期サウンドステージで登場したリニスとか、プレシア母さんの過去のお話とか。
再構成に伴って、「なまえをよんで」の部分を強く推した作りにもなっていましたし、
そして「なまえをよんで」にあたる部分でまた。

本当にフェイトちゃんのための再構成な感じでしたよー。

・・・ところでリンディさんの砂糖茶には何かこだわりがあるのでしょうか。
や、わたしとしてはあのシーンがあって嬉しいのですけれども。

それにしてもいろいろとパワーアップしすぎだと思うのです。
デバイスとかバリアジャケットとかスターライトブレイカーとか。





ひとだんらく?     2/19

本命の院の試験も終わり、これで進路関係の活動はひと段落・・・かな?
自由の身なのです。

なので、今までできなかったこととかもやれますよー!
絵とかゲームとかお散歩とか!時間はたくさんありますですよ!

(院試験当日までリーサル・クライシスの攻略ページを更新してたのは内緒です)

ということで、とりあえずPSPとPSPo2を買ってきました。
頑張りますよーレアアイテム求めてハムスターになりますよー(ぇ





ほしみっつかけるなな     2/19

「智花ちゃん、ちょっと感じ変わった気がする・・・大人っぽくなったような」

なんだか
いろいろ
すさまじい。

・・・シャフトの皆様もう限界突破してるんじゃないでしょうか。


ひだまりスケッチ×☆☆☆第7回、
「5月3日 7等分の日」です。

***

ついうっかり、余計な事を言ってしまったために校長先生と朝のラジオ体操に励むことになってしまった吉野屋先生。
吉野屋先生ならブルマくらい持っていてもおかしくないと思うので特に突っ込まないです。

***

とある休日のこと。
日の光が指す部屋の中でで、メールで誰かと連絡を取り合っているゆのの姿がありました。
そして、ちょっと落ち着かない様子でゆのに声をかける宮ちゃんの姿も。

宮ちゃんがゆのの部屋に遊びにきたりするのは大体いつものことなのですけれども、
いつもの休日なら、宮ちゃんはもうちょっとこう、だらだらしていたりするはずなのです。

そして、ゆのが話題にし始めたのは「智花ちゃん」のこと。
・・・そう、きょうは沙英さんの妹、智花ちゃんが久しぶりに来るのです。
時間としては、春休みから・・・2ヶ月ぶり、くらいでしょうか?

***

ご機嫌で海産物たっぷりのパエリアを用意するヒロさん。
久しぶりの再会に少しどきどきしながら待つゆのと宮ちゃん。
そして、いまだ「智花ちゃん」に会った事がないなずな殿と乃莉ちゃん。

「智花ちゃん」は、どんなひとなのか。
背丈はヒロさんと同じくらいで、姉妹だから沙英さんに見た目も性格も似ていて。
でも、今はもう高校生になったから、もしかしたら少し変わっているかもしれなくて。

そんなふうに、「智花ちゃん」を知らない乃莉ちゃんとなずな殿に人となりを話しながら、
沙英さんを除いた5人で、沙英さんと智花ちゃんの到着を待っていました。
なずな殿はちょっとドキドキ。


・・・と、そうして話しながら待っていて。
歌舞伎座帰りの智花ちゃんを連れて、沙英さんがひだまり荘に帰ってきました。

***

再会から始まって。
晩ご飯の席で、智花ちゃんと会った事がなかった乃莉ちゃんとなずな殿が自己紹介をして。
行ってきた歌舞伎座の話をして。

智花ちゃんが歌舞伎座にひとりで行ったことに、ちょっと興味を持つなずな殿。
美術かではない普通化同誌、ということで話をする智花ちゃんとなずな殿。
実は秋(の体育祭)には敵になる事が分かったなずな殿。
そして、自分が姉妹喧嘩の発端になってしまったと思い慌てるなずな殿。


・・・何だか今回は妙になずな殿が話に絡みますよ?

***

そうして、ご飯の時間から少したって。
今度はデザートの時間。ということで、ヒロさんがケーキを持ってきました。

さて、ここで問題。
いつもならひだまり荘全員で6人、1年生ズがいないときのケースを考えても4人です。
つまりは、2で割れる整数。2で割れるということは、人数を2で割った回数分包丁を入れればいい、ということになります。

さてさて。
きょうはゆの、宮ちゃん、沙英さん、ヒロさん、乃莉ちゃんになずな殿、そして智花ちゃんの合計7人です。

7÷2 = 3.5。
整数ではなくなってしまうので、きれいに包丁を入れることは無理そうです。
どうやって包丁を入れればいいのか悩むゆの。

51°に切ればいいんじゃないかな、という智花ちゃんの言葉に、
どうやって51°に?となずな殿が突っ込んでいました。

***

いま話しているのは、自分達と同じ一年生の子で。
でも、同学年という意味では近いのに、ひだまり荘の関係者という意味ではちょっと遠くて。
1年生という立場だと自分達と近いのに少しだけ遠くて、
先にひだまり荘に関わっているという意味では少しだけ遠いのに、何だか近くて。
そのことが、ちょっとだけ変な感覚で。

もう少し、話をしてみたくて。
なので、なずな殿は智花ちゃんに明日の予定を聞いてみました。
そうしたら、明日はピクニックに行きたい、と。そう答えが返ってきました。

ピクニックに行くには、いい天気の方がいい。
ピクニックに行くなら、いい場所の方がいい。

なので、乃莉ちゃんが携帯電話でささっと明日の天気を調べて、
なずな殿がジモッティー・・・もとい、地元民が知っている良さそうな場所を考えて。

そうして、明日は皆でピクニックに行くことに決定しました。

***

ところで乃莉ちゃん、部屋・・・1階ですよね?
自分の部屋の前を通り過ぎたままなずな殿と一緒にいましたけれども、これからなずな殿の部屋に行くのでしょうか・・・?

***

そして、翌日。

それぞれ学年ごとに別れるような感じで席に座って。

皆でバスに乗って、ピクニックに出かけていきました。


(カットイン・こいのぼり)


楽しんで、ひだまり荘に帰ってきました。



・・・・・・・・・・・・あ、あれ?
時間がものすごい飛びましたよ?

・・・まあそれは一旦置いておきまして。
まだ時間があるから、少しお茶でもどうか、という話をヒロさんが智花ちゃんにして。
そうしたら智花ちゃんは、乃莉ちゃんかなずな殿の部屋に行ってみたい、といいました。

姉である沙英さんの部屋は知っていて、ゆのの部屋も知っていて。
それとは違う、同じ1年生の部屋、というのにちょっと興味を持ったのでしょうか。

すると乃莉ちゃんが、だったら自分の部屋で、と言って。
でも、少し散らかっているかもしれないから、少しだけ待っていてくださいと言って。
階段を登って、2階へと上がっていくのでした。


・・・・・・2階?
2階はゆのと、宮ちゃんと、なずな殿の部屋ですよ?

・・・・・・・・・・・・???

***

いろいろと不自然だったり不可解だったりする点はありますけれども、
とりあえず皆で乃莉ちゃんの部屋にお邪魔することに。
同い年の、けれどもいろいろと異なる乃莉ちゃんの部屋に興味津々の智花ちゃん。

こどもの日も近いので、皆でおやつに柏餅を食べて。
行ってきたピクニックの様子を、それぞれに話して。

沙英さんとヒロさんは、木陰で2人でのんびりしていて。
ゆのと宮ちゃんは2人でボートに乗って、池の端まで行って。
乃莉ちゃん・なずな殿・智花ちゃんは、3人でボートに乗っていろいろな話をしていて。





楽しい時間は、あっという間に過ぎて。
思い思いに話をしている内に、智花ちゃんが変える時間が来てしまいます。


帰る智花ちゃんを見送るために、みんなでひだまり荘の前に並んで。
体験した出来事の楽しさと、新しい繋がりを確かめるように、言葉を交わして。




みんなで作った大切な思い出が、またひとつ増えました。





・・・そんな様子の中、校長先生に運動に付き合わされた吉野屋先生が泣きそうになっている姿も見えますけれども、
それは特に気にしない方向で。






次回、「5月13日〜14日 ゆのクラブ」「9月26日〜27日 やっぱりナスが好き」です。
あんなカニカニしたものを!

***

今回の提供絵は、きららフォワードで「夢喰いメリー」を連載しておられる牛木義隆様でした。
マフラーゆのっち。

***

むー・・・何だか感想に困ります。今回は全編オリジナルのお話だったのですけれども、
何といいますか、今回はセリフ量の多いドラマCDみたいな感じでした。粗も結構多いですし・・・。
普通科、体育祭、沙英さんの小説、その他いままでの話から関連して話を作っているので
結構濃い中身にはなっているのですけれども、何かちょっと・・・何でしょう?

乃莉ちゃんが2階に上がっていったのが結構気になるところです・・・。
製作しているシャフトの皆様、もう限界突破されてるんじゃないでしょうか・・・。
あ、でも1年生ズとの絡ませ方は結構良かったと思いますですよ。
なずな殿がいつもの倍くらい台詞が多かった気がしましたけれども。

次回はカニカニ。・・・ゆのクラブってつまりそういう意味なんでしょうか。





こうりゃくへん4     2/15

リーサル・クライシス攻略ページを、手が空いているときにいろいろ修正したり追加したりしてます。
予想外に多くのひとが来てぎゃふん。





とりあえずのこと     2/12

滑り止めとして受験をしていた大学院の合格届けが来たので
とりあえずは院にも行けず就職もできず、という事はなくなりましたですよ。

あとは、本命の大学の院の受験です。

一通り終わったら携帯の機種変更とかPSPo2とかやるですよ・・・ふふー(駄目人間
あと何処かから電波が飛んできたルミナスアークとかアルトネリコとか。





ほしみっつかけるろく     2/12

「絵も勉強もできて、乃莉ちゃんはほんとにすごいね」

・・・なんでしょう。
なんでしょうこのAパート。

あ、夏目はかわいかったです。



ひだまりスケッチ×☆☆☆第6回、
「10月15日 空の高さも木立の影も」「4月26日〜27日 恋愛上級者」です。

***

ある日の美術準備室。
そこには、ひだまりスケッチのヒロインにあるまじきすごい顔で笑う吉野屋先生の姿がありました。

・・・え、ヒロインじゃない?多分今回のお話のAパートではヒロインですよ?
諸事情でダイジェストでお送りしますけれども。

***

陽の光がたっぷり満ちた、あたたかい春の日。
そしてひだまり荘の庭では、既に恒例となりつつある朝のラジオ体操が行われていました。

参加者は、ゆの、宮ちゃん、それに乃莉ちゃん。
いつものように元気よく体操をしていると、からからと窓の開く音が上の方から聞こえてきます。
ふと上を見ると、そこには部屋のベランダからゆの達を見下ろすなずな殿の姿が。

なんやかんやで、なずな殿もラジオ体操に加わることになって。
1年生2人と、2年生2人。

またひとり、一緒にラジオ体操をする人が増えました。


沙英さんとヒロさんはまだお休み中のようです。
沙英さんはいろいろ忙しいでしょうし、ヒロさんは朝が弱いですからねぇ・・・。

***

朝、いつものように教室で席に着くゆのと宮ちゃん。
時期的には身体測定など新年度で行う出来事はなくなってきた時期なので、
特に慌しかったり時間が遅かったり、ということもなく。
ちょっとだけ新鮮ね気持ちにはなりましたけれども、いつもの教室の風景が戻ってきた感じです。


・・・と、そんな落ち着いた教室に。変な吉野屋先生が駆け込んできました。
や、いつも吉野屋先生は変ですけれども、いつにも増して変ということなのです。

変な吉野屋先生。
・・・実は、以前にもこんな様子をゆの達は見た事があったみたいで。

***

Aパート、「10月15日 空の高さも木立の影も」です。

***

それは、去年の秋のこと。

物憂げな様子で教室に入ってきて、変なことを呟く吉野屋先生。
それは、普段見慣れている吉野屋先生の姿とは少し違っていて。

美術の授業中も、ポケットに手を当てて、何度も携帯を取り出して。
図書室でも、じっと携帯を見つめていて。

そんな様子を見続けて、いつの間にかもうお昼。
お昼ごはんの席を沙英さん、ヒロさんと一緒にしたゆの達は、その事を話題にして話をしていました。
ヒロさんが朝ご飯どころかその前まで我慢して、グロッキーな状態になってまでまだ頑張る事情。
ちょうど沙英さんの隣の席に座っていた夏目は、変な吉野屋先生の姿を見ていたのもあって
ちょっと気になって聞き耳を立てていたり。や、聞き耳を立てる理由は主に沙英さんがいるからですけれども。

ゆの達から聞いた話から、吉野家先生がそうなっている理由を考え始める沙英さん。
結論として、それは恋である、と。そういう話になりました。

この言葉を横で聞いていて。
夏目は、穏やかな心でなんていられなくなってしまっていて。

恋、とか。
片思い、とか。
普段の沙英さんからはなかなか聞かない言葉に、ドキドキしてしまって。

沙英さんがその言葉を言っていることにどういう意味があるのか、ちょっと考えてしまったり。

・・・・・・話を聞くことにに夢中になって、いろいろ考えていたために食事中に箸を止めてしまって。
その状態を友達に注意される夏目なのでした。

***

さて、そんな変な吉野屋先生なのですけれども。

校長先生に怒られるくらい業務がおろそかになっているのも、保健室に引きこもったりして携帯を眺めているのも、
授業中も何度も携帯を気にしていたのも。

面白い携帯小説が気になっていたからみたいなのです。


・・・・・・そんなわけで。
Aパートは夏目を焦点としたダイジェストでお送りしました。

そんな事があった、というお話なのです。

***

朝には、吉野屋先生の変な様子を思い出して。
それから少し時間は流れて、体育の授業の準備をしているゆの達。
急がないと遅刻してしまうので、廊下と階段をちょっと急ぎめに走っていて。

そこで、ふと両手で段ボール箱を持って歩いているなずな殿を見かけました。
それもひとりではなくて、同じように段ボール箱を持った男子生徒を横に連れて、一緒に歩いていて。

それは、ひだまり荘で見る以外のなずな殿の姿で。
ゆの達の知らない姿で。
そんな、自分達の知らない「なずな殿」が少しだけ気になり始めました。

***

それから少し時間は過ぎて。

下駄箱で靴を履き替えて、下校しようとする沙英さんとヒロさん。
そこでも、男子生徒と一緒のなずな殿を沙英さんたちが見かけました。

こちらもこちらで、自分達の知らないなずな殿の姿を見ることになったのですけれども。
ヒロさんは、ゴミ袋を持って男子生徒並んで歩くなずな殿に興味を持って。
沙英さんは、予想外の事態、というか男女で並んで歩いているということに少し頭が過熱気味で。

・・・・・・とても「恋愛上級者」(自称)に見えないですよ、沙英さん。(※昔のお話を参照)

***

沙英さん達が学校から下校して、ゆの達も帰ってきて。
201号室に集まった4人の話題は、自然と学校でのなずな殿のことに。
ひだまり荘以外での、それもかなり意外ななずな殿の姿を見たことがイメージとして強くて。

そしてその話の過程で、ゆの達と沙英さん達が見た男子生徒は、どうやら別のひと、ということに気付いて。
なずな殿のモテ時空に戸惑う沙英さんでした。
頑張ってください恋愛小説書き沙英さん。


ここは同じ1年生に話を聞いてみよう、ということで乃莉ちゃんの部屋に向かうゆの達一行。
そこで知らされたのは、1年生の階でたびたび見かけるなずな殿、と他男子の姿。
あとてんとう虫に好かれるなずな殿の姿。

これはもう、モテるなずな殿のお姿を目に焼き付けるしかない、ということで。
ノリノリな宮ちゃんを先頭になずな殿を見に行くことになったのでした。

・・・・・・見に?

***

じっと。
じーっと。
じぃぃぃぃぃぃっと、なずな殿を見つめる宮ちゃん。
そして戸惑うなずな殿に、続けて何かコメントを求める宮ちゃん。
わくわく。
・・・モテる動きとか、モテる台詞とか、そういうのは出てこないと思いますよ?

***

・・・いろいろありつつ、なずな殿を含めて6人で話をすることになりました。
なずな殿自身も、よく男子が自分の近くに来る、とは感じているみたいで。
そして、その事でいろいろあったみたいで。

好きなひとが他人へ好意を向けていることへの、やきもち。
その対象であるなずな殿への嫉妬。
嫌いなにんじんを大量に入れられたり、とか。
なずな殿自身がいい子でも、それを見る他のひとの目は違うものなのです。


そんなモテる子の悩み(嫌味ではないです。なずな殿は間違いなく素です)を聞いていた乃莉ちゃんは
自分の考えているモテる子のイメージと、なずな殿はちょっと違うかな、と言いました。
では、そのイメージに当て嵌まるのは誰かといえば。

明るくて、活発で、才能が当て、ちょっと天然が入っていて、スタイルが良くて・・・。


・・・・・・・・・つまり服装や化粧のセンスがあればあとは完璧な宮ちゃん。

***

なずな殿がモテる理由は、何だか放っておけない感じがするからかな?という話に最終的になって。
夜も更けてきたので、皆部屋に戻ることにしました。

宮ちゃんは、もう少しだけゆのの部屋に留まって。
ヒロさんと沙英さんは一階に降りていって。
乃莉ちゃんも、一緒に降りていこうとして。

そこを、なずな殿に引き止められます。

先ほど言った「モテるひと」のイメージの話で、
なずな殿をもしかして不快な気分にさせてしまったんじゃないかと焦る乃莉ちゃん。でも、そんなことはなくて。
ちょっと、勉強の手伝いをしてもらいたかっただけなのです。


解き方を教えてもらって、素直に乃莉ちゃんはすごいな、と思うなずな殿。
その言葉を聞いて、少しだけ恥ずかしくて、でもちょっと嬉しい気持ちの乃莉ちゃん。


また少し近付いた、二人の距離。


こういう姿も、いつかきっと当たり前になっていくと、そう思います。




おまけ。
翌日の吉野屋先生は、なずな殿の髪型を模した「モテヘアー」なる髪形をしていました。

・・・どこで聞いたのでしょう。





次回、「5月3日〜4日 7等分の日」です。
・・・・・・・・・・・・ひだまり・・・スケッチちゃん・・・!?

***

今回の提供絵は、きららフォワードで「空色スクエア」を連載しておられる双様でした。
1年生ズを前面に押し出してます。

***

・・・・・・何だったのでしょう、Aパート。
ABパート共通の話として「恋」とかを扱いたい、というのは分かるのですけれども。
何だったのでしょう・・・夏目が可愛かった事と、アイキャッチ以外は本当にダイジェストで纏められるくらいに
話の中身がなかったですよ・・・?

ラジオ体操時の宮ちゃんのTシャツが「I Love ME」だったのは突っ込んでいいところなのでしょうか。
なんでしょうあのTシャツ。わたしも欲しいです。

ラジオ体操の組み合わせは、宮ちゃんと乃莉ちゃん、ゆのとなずな殿でした。
身長とかを考えると、やっぱりこの組み合わせがいいのでしょうか。
・・・・・・身長・・・・・・。

普通科だから普通のひと達がたくさんいるに違いない、と言った宮ちゃん。
でも、それは裏を返したら「普通科でないひと達はあまり普通ではない」
=「美術科は変人が多い」ということになるんじゃないでしょうか・・・?
つまり宮ちゃんも普通じゃない可能性が高いということに。

だってうめ先生は神だから。
次回予告がひだまりスケッチちゃんだったのですけれども・・・あの、何故ここでこれが・・・?
多分次回がオリジナルだからなのでしょうけれども、CG彩色ひだまりスケッチちゃん・・・?

次回は、オリジナル・・・かな?





こうりゃくへん3     2/11

えー・・・流石にいろいろまずいと思ったので、リーサル・クライシス攻略ページの文章表示を少し変更しました。
攻略ページなのに中央寄りは見辛いですよね・・・。





がちゃがちゃゆのっち     2/8

<まんがタイムきらら・リトルマスコットという名前のガチャガチャを見つけましたですよ。
中身は、
ゆの(ひだまりスケッチ)
クロちゃ(棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜)
御庭つみき(あっちこっち)
はるみ(はるみねーしょん)
平沢唯(けいおん!)
の5種類でした。

・・・ゆのっちから何かコレジャナイ感が漂っているのは気のせいでしょうか。

つみきさんとクロちゃは欲しいのですけど他の3つが・・・むー・・・。
その3つが出たらきらとりのアフター用に持って行こうかな・・・。

***

試しに一回まわしてみたらクロちゃが出ました。ふふー。





こうりゃくへん2     2/6

リーサル・クライシス攻略ページを少し修正しました。
・・・ここまでやるとちょっとやりすぎかな、とも思いますけれども。Bルートに関してとか。





ほしみっつかけるご     2/5

「・・・あ、あのっ!受験、頑張ってくださいっ!」

沙英さんと話すだけでドキドキして赤くなって何を言っているのかよく分からなくなってしまう、
そんな夏目の乙女事情。

夏目かわいいですよ夏目。



ひだまりスケッチ×☆☆☆第5回、
「4月20日 オンナノコのきもち」「1月31日 まっすぐな言葉」です。

***

新入生を迎えて、一層にぎやかになる食堂。更に新学期フェアということもあっていつもとも少し違う感じです。
それは、新しい流れが来たことの象徴でもあります。

・・・そんな中、食堂のメニューのサンプルを見て溜め息をつく吉野屋先生の姿がありました。
その理由は・・・乙女の悩み、ダイエットみたいです。

でも、ダイエット中ならクッキーを片付ければいいのでは、と思ったり。
出したのは益子先生かもしれませんけれども。


そしてそれらの事を全て見通しているかのような校長先生なのでした。

***

新学期からのゆのの新しい習慣、朝のラジオ体操。
ですけれども、きょうは無意識のうちに目覚まし時計を止めてしまったみたいでいつもより遅い時間になってしまいました。
そして慌てて庭に出たゆのが見たのは、ひとりラジオ体操を行う宮ちゃんの姿。
宮ちゃんに謝りつつ隣に並んで、2人のラジオ体操が始まるのでした。

・・・あ。
今朝は更にもう一人、乃莉ちゃんも増えて3人になりました。

あと、姿が見えないのはヒロさん、沙英さん、なずな殿。
なずな殿はもうこの時間には起きているみたいなのですけれども・・・?

***

さて。
運動をした後は、お腹が減るのがお約束です。
それに加えて今は朝食の時間なのです。いつもなら、朝ご飯を食べているはずの時間です。
・・・時間なのですけれども。

横で宮ちゃんが朝ご飯を食べるのに恨めしそうな目をしながら、ゆのが朝ご飯を食べるのを我慢する事情。
ヒロさんが朝ご飯どころかその前まで我慢して、グロッキーな状態になってまでまだ頑張る事情。

・・・そう。新学期のお約束イベント、身体測定です。
気にしているのは、主に「体重」の部分なのですけど。

なお、ヒロさんは沙英さんの差し入れによってグロッキー状態から回復しました。
・・・去年もあったのでしょうね、こんなこと。


身体測定のため、そろそろ学校へと向かおうとするゆのと宮ちゃん。
と、そこに先に身体測定に行っていたなずな殿、乃莉ちゃんの1年生ズが帰ってきました。

パソコンに向かいすぎていたせいか、視力が落ちたと落ち込む乃莉ちゃんと、
それとは対照的に何だか嬉しそうななずな殿。
そんな嬉しそうななずな殿の様子が気になったので効いてみたところ、なずな殿は身長が伸びた事が嬉しいみたいでした。

2ミリ。

・・・誤差じゃないですよ、うん、誤差じゃないです。

***

そして、ゆの達2年生の身体測定の番がやってきました。
いざっ。

ゆのが1年生の身体測定で測ったときは、身長は144.5センチでした。

やまぶき高校に入学してから、1年が過ぎて。
いろいろな出来事があって、いろいろなことを考えて。
だから、自分はきっといろいろ成長しているはずで。


・・・・・・結果は、

144.3センチ。



・・・・・・・・・ご、誤差かもですよ、うん、誤差かもです。

***

自分がどうなのか、とか。他のひとはどうなのか、とか。
他のひとの身体測定の結果は、やっぱり気になるもので。

でも、他のひとと比べる事を考えると、何だか自分の数値が余計に気になって。
だから、身体測定の結果の紙を握り締めるように、隠すように折りたたんでしまって。

そんな姿が何人も見受けられる部屋の中で、身体検査を担当した桑原先生はちょっとだけ苦笑いをするのでした。

***

身長と体重、それに座高とかの他のものもやった後は、視力測定です。

「・・・右」

‖  (宮)←

「・・・上」

    (宮)
‖   ↑

「・・・右」

‖ (宮)←

「・・・右」

‖宮)"← <ガンッ


・・・何やってるんでしょう宮ちゃん。

***

いろいろな測定を終えて。
けれどその結果は、去年の自分と殆ど変わっていませんでした。
その結果に落ち込むゆの。

ですけれども、そこに。
颯爽と吉野屋先生が現れて、ゆのの胸に手を置いて、言いました。

ちゃんとここが成長しています、と。

それは、この学校で1年を過ごした生徒への、
1年前とは変わった生徒への、「こころの成長」についての言葉で。

成長というのは、体の成長だけではない、と。



・・・でも、普段から困った言動ばかりをしている吉野屋先生だったので。
その言葉は身体ネタとして受け取られてしまいました。

吉野屋先生しょっく。

***

1年、2年、3年生、それぞれが身体測定を終えて、皆でヒロさんの部屋に集まって。
その中には、乃莉ちゃんとなずな殿の姿もありました。

歓迎会の日と、トマトを植えた日。その日のように、また6人でテーブルを囲んでいました。
またすこし、遠慮のいらない関係に近付いたみたいです

・・・で。
テーブルの上には、ヒロさんお手製のお菓子が、どどんと。何個も。
ちょっと太っちゃいそうなくらいに。

ヒロさん曰く。
1年間の公式体重が決まる体重測定を乗り切ったのだから、良いそうなのですよ。
・・・・・・その気持ち、何だか分かってしまいます。

***

ケーキとお茶を楽しんで、のんびりした時間を満喫して。
おいしいお菓子とおいしい紅茶とで、なずな殿も顔をほころばせて。

・・・と、そこで突然ゆのの携帯が震えだします。
電話に出たゆのの口から出たのは、「有沢先輩」という名前。

ありさわせんぱい?

それは、1年生である乃莉ちゃんとなずな殿にとっては聞いたことの名前。
3年生で、既にゆの達と1年を過ごしている沙英さんとヒロさんも、よく知らない名前。

唯一、宮ちゃんだけはゆのから細かい話を聞いていたのか、すぐに反応しました。


有沢先輩。

それはあの冬の日に、ゆのが学校で出会った2つ上の先輩の名前。
あの日美術室にいた、ふとしたことで出会った先輩の名前―――

***

部屋の暖房器具が唸りを上げる、寒い冬の日。
いつものように、ゆの、宮ちゃん、沙英さん、ヒロさんの4人で部屋に集まって。
お菓子を食べながら、取り止めのない話をしていて。

その話の中で、「携帯でとった珍しい写真」の話になったので、
ゆのはちょうど話ができそうなものを持っていて、それを皆に見せようと携帯を探し始めました。

犬が・・・。(ごそごそ)

犬が・・・・・・・・・。(ごそごそ)

・・・・・・「犬が」しか聞いていないので、どんな写真なのか想像できなくてうずうずします。


どうにも見つける事ができないので、沙英さんに電話をかけてもらって探すことになって。
部屋の中にあるのなら、それで携帯は見つかるはずでした。部屋の中にはあるのだと、そう思っていました。
・・・ですけれども、予想は外れて。携帯電話に誰かが出てしまいました。

沙英さんは電話をかけていて。
宮ちゃんは携帯の気配を探っていて。
ゆのとヒロさんは特に何もしていなくて。

・・・・・・だれ?

***

ゆのの携帯は美術室にあって。
どうやら、授業の時に忘れてしまっていたみたいで。

誰もいない暗い廊下を、ひとり歩くゆの。
暗いのは廊下だけではなくて、どの部屋も明かりが点されていなくて。
・・・そんな、不安になるような暗さなのかを歩いていて。たった一箇所だけ、明かりがある場所を見つけました。
それは、目的の美術室。

美術室で、ひとり。
もしかしたら、学校でたったひとり。
そんな静けさの中で、そのひとはキャンバスに向かって鉛筆を走らせていました。

その人の名前は、有沢さん。
3年生の、有沢先輩。

以前に一度、沙英さんと喫茶店で話したとき、帰りに見た・・・あの先輩でした。


有沢先輩に、美術室に忘れていた携帯を渡してもらって。
ゆのは、この自機に先輩が学校にいる理由について、気になって聞いてみました。
今は3年生は自由登校で、ここにはいなくてもいい時期のはずでしたから。

その問いに対して有沢先輩は、「研究所」がピリピリしているから、と答えます。

それは、進路に関係する場所で。ゆのの知らない場所のことで。
学校で授業を受けている時はあまり感じない「ピリピリ」が、満ちている場所みたいで。
どんな場所なんだろう、と。少し物思いに耽るゆの。

そんなゆのに向かって、有沢さんは突然お願いをしてきました。
あなたを描かせてくれないか、と。

***

(美術室ではない学校の一室で鼻歌を歌いながら服を脱ぐ吉野屋先生)

ひとりじゃありませんでしたですよ。

***

自分をモデルにして絵を描かれる。
そのことに、ちょっとだけ緊張するゆの。

絵を描いている間、有沢先輩は様々なことを話してくれました。

オープンキャンパスで美大を訪れた時に見た、たくさんのもの。
それを作っていた、たくさんの人の笑顔。思い。


そして、自分もそこで何かをしたい、と。そう思ったこと。


絵を描いている間も、有沢先輩は楽しそうにそのことを語っていました。

***

出来上がった絵は、綺麗で。それに何だか、温かくて。
それをゆのが告げたら、有沢先輩は照れて赤くなってしまいましたけれども。
でもそれは、ゆのの本心からの言葉でした。

***

絵を描き終えて、美術室を出て。
ゆのと有沢先輩の2人で、校門を出て。

この先輩は、本当に絵が好きなひとで。
綺麗で、温かくて、優しい絵を描けるひとで。
応援したいと、そう思って。


だから、別れる間際に。
ゆのは、受験を頑張ってくださいと、有沢先輩に言って。


行ってきます、と。
有沢先輩は答えてくれました。




また一つ、大事にしたい思いを心に持って。


自分を描いてもらった絵を、携帯のメモリーに大事に残して。


出会って良かったと、そう思って。

有沢先輩の美大への合格を祈る、ゆのなのでした。



「犬はー?」


・・・さあ?





次回、「10月15日 空の高さも木立の影も」「4月26日〜27日 恋愛上級者」です。
なずな殿の普通科での生活が明らかに。・・・え、違います?

***

今回の提供絵は、きららCaratで「Aチャンネル」を連載しておられる黒田bb様でした。
エンドカードが沙英さんが多いような気がしますですよ。

***

もうすっかりアバンでのお約束な吉野屋先生と校長先生。
・・・・・・今回は大人しかったですよ?

身体測定といえばダイエット。・・・いやいや、違いますよ?
体重が気になるのは分かりますけど、そのために無理をしすぎて倒れるという事もあるので注意が必要です。
・・・・・・でも体重がやっぱり気になります。きっと朝会の校長先生の言葉は耳に痛いですよ。

身体測定で身長が縮んだ経験があるわたしとしては、誤差かどうか、というのは結構来るのですよね。
誤差じゃないですよ、うん。誤差じゃないです。
縮んだなんて認めたくありません。

3年生、新入生が入った今は美大の1年生の有沢先輩。
以前に出た岸さんのように、ゆのに影響を与えていく先輩でした。
・・・AパートとBパートの繋ぎはちょっと強引なように思いましたけれども。

次回は、回想の方が先に来そうな予感です。





こうりゃくへん     2/2

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…キオクの、窓際…


…星屑の庭園、入り口…